皆様の「困った」をどのように市政に届けているか ~身近な地域課題の発見・解決プロセス~
はじめに:皆様の「困った」の声の大切さ
日々の暮らしの中で、「この場所の道路が少し危ないな」「ごみの分別で困ることがあるのだけれど」「近くの公園にもう少しベンチがあればいいのに」といった、ちょっとした「困った」や「こうなったらいいな」と感じることがあるかもしれません。
こうした身近な声こそが、私たちが住むまちをより良くするための大切な手がかりとなります。しかし、その声がどのように行政や政治に届き、実際に何かが変わっていくのか、分かりにくいと感じている方もいらっしゃるかもしれません。
このまちかど議会ONLINEでは、地域の皆様の身近な声に耳を傾け、政治家としてどのように活動しているのかをお伝えしていきたいと考えています。今回は、皆様からいただく「困った」やご意見が、どのように市政に届き、解決に向けて動き出すのか、そのプロセスについてご説明いたします。
地域課題をどのように見つけているのか
地域の課題や皆様の「困った」を見つけるためには、様々な方法があります。私自身、以下のような活動を通じて、皆様の声をお聞かせいただいています。
- 地域の皆様との直接の対話: 地域を歩いている際にお声がけいただいたり、地域の集会やお祭りなどに参加させていただいた際に、直接お話を聞かせていただく機会は非常に重要です。何気ない会話の中に、まちのヒントが隠されていることがよくあります。
- ご相談窓口: 事務所へのお電話やメール、手紙などでも、皆様からのご相談やご意見を承っています。個人的なご相談から、地域全体に関わるご要望まで、幅広くお聞かせいただいています。
- 意見交換会やアンケート: 特定のテーマについて、皆様のご意見をまとめて伺うために、意見交換会を開催したり、アンケートを実施したりすることもあります。より多くの方の多様な考えを知ることができます。
- まちかど議会ONLINE: このオンライン広場も、皆様の声をお聞かせいただくための大切な場です。ここに寄せられたご意見やご要望も、しっかりと拝見しています。
- 地域の活動への参加: 町内会や自治会、NPOなどの地域の活動に参加することで、地域の方々が日頃どのようなことに取り組まれ、どのような課題を感じていらっしゃるのかを肌で感じることができます。
こうした様々な機会を通じて、地域の皆様の「生の声」を聞き、課題を見つけ出すことを心がけています。
声を行政や議会に届けるプロセス
皆様からいただいた声や見つけ出した地域課題は、すぐに解決できるものもあれば、時間や多くの調整が必要なものもあります。政治家として、それらの声をどのように市政に届けているのか、主なプロセスをご説明します。
- 課題の整理と調査: まず、いただいた声や課題について、その背景や現状を詳しく調べます。同じようなことで困っている人が他にもいないか、現状はどうなっているのかなどを確認します。必要であれば、現場に足を運び、自分の目で確かめることもあります。
- 行政担当部署との情報交換: 課題に関わる行政の担当部署に相談に行き、現状についてさらに詳しい情報を得たり、すでにどのような対応が検討されているのかなどを確認したりします。ここでは、皆様からいただいた具体的な声をお伝えし、現状の課題を共有します。
- 議会での働きかけ: 地域の課題解決には、予算が必要になったり、まちのルール(条例など)を変更したりする必要が出てくる場合があります。そのような場合は、議会の場で正式に問題を提起し、行政に対して解決策を求めます。これを「質疑」や「一般質問」などと呼びます。
- ※ここで言う「議会」とは、皆様から選ばれた代表(議員)が集まり、まちのこれからについて話し合い、ルールを決めたり、まちのお金(予算)の使い方を決めたりする場所のことです。そして「行政」とは、議会で決まったことなどを実際に実行していく市役所などの組織のことです。
- 議会での質疑は、多くの議員や行政職員が耳を傾ける重要な機会であり、課題解決を大きく前進させる可能性があります。
- 要望書の提出や働きかけ: 議会での発言だけでなく、具体的な要望を行政に文書で提出したり、課題解決に向けて関係部署や関係者間での調整を行ったりもします。
- 請願・陳情の紹介: 地域の皆様が自らの手で議会に直接要望を出す方法として「請願(議員の紹介が必要なもの)」や「陳情(紹介が不要なもの)」があります。これらの提出を希望される方への情報提供や手続きのお手伝いをすることもあります。
これらのプロセスを通じて、皆様の小さな声が、市政の場で真剣に議論され、具体的な取り組みへとつながっていくように活動しています。
解決に向けた取り組みと、その難しさ、そして成果
こうした働きかけにより、地域の課題が解決された例も多くあります。例えば、
- ご要望の多かった場所に街灯が設置され、夜道の安全が確保された。
- 子どもたちが安全に遊べるよう、公園の遊具が修繕された。
- 地域の交通不便を解消するため、バス路線の見直しや増便が検討されるようになった。
- 身近な手続きについて、行政窓口での説明がより分かりやすくなるよう改善された。
しかし、全ての課題がすぐに解決できるわけではありません。予算の制約があったり、法制度の壁があったり、多くの関係者との調整が必要だったりと、解決に時間がかかることや、残念ながら現状では難しい場合もあります。
そうした場合でも、なぜ難しいのか、現状はどうなっているのかを誠実にお伝えし、引き続きできることはないか検討を続けることも、政治家の重要な役割だと考えています。成果が出たことだけではなく、うまくいっていないことや今後の見通しについても、できる限りオープンにご報告していきたいと考えています。
最後に:引き続き、皆様の声を大切に
私たちのまちをより暮らしやすく、誰もが安心して過ごせる場所にしていくためには、そこに住む皆様一人ひとりの声が不可欠です。今回ご説明したように、皆様の「困った」やご意見は、決して小さな声ではなく、まちを動かすための大切な力となります。
まちかど議会ONLINEを通じて、これからも地域の皆様と双方向で情報を共有し、皆様の声を市政に届け、具体的な活動につなげていくための架け橋となっていきたいと考えています。
どうぞ、日々の暮らしの中で感じたこと、気づいたこと、ご要望などございましたら、遠慮なくお聞かせください。全ての声に耳を傾け、誠実に活動していくことをお約束いたします。
今後とも、まちかど議会ONLINEをご覧いただき、ご理解とご協力をいただけますようお願い申し上げます。